『世界初』新型コロナウイルス
“デルタ株”に有効な
カテキンフィルターを開発
コロナ時代からをコンセプトに開発した商品
新型コロナウィルスの流行と共にエルモアでも2020年の春にマスクの発売をスタート。
そしてこの度、より優れた抗ウィルス活性を有する高機能カテキン加工紙を開発し、マスクに採用。
ASTMF2100 レベル3をクリアした医療用マスクが誕生しました。
この水準をクリアした他社マスクと比べ、高機能かつ低価格で、多くの方に手に取っていただける商品になりました。
S・K 本社 開発企画部
経験を活かした初任務
原案としましては、20年程前に茶殻の有効利用・リサイクルという観点に着目して「茶香紙」というお茶を和紙にすきこんだ紙をオムツに採用していました。
ただ、そこには抗ウイルス活性がなかったんですよね。
そこで抗ウイルス活性をあげるためにはどうすればいいかという中で、ダイレクトに有効成分のカテキンだけ入れる方法がないか模索し、この1、2年で急速に開発が進みました。
私はもともと東京の大学で化学物質と生物との相互作用全般、あと環境関連を専門として研究しつつ、教鞭をとっていました。
東日本大震災の後、家族だけが妻の故郷の愛媛県に戻っていた関係から、私もいずれ愛媛県に移ることを考えていたところ、縁あって2021年6月からカミ商事の一員となりました。
紙業界は初めてだったので、自分に何ができるだろう…と色々と調べていた時に、このプロジェクトのことを知り、開発チームに配属させていただきました。
開発部長を始め、チームの皆様にご指導をいただきながら、これまでの経験を活かし、当社のブランディングの強化に貢献できると、とてもやりがいを感じました。
短いスパンで成し遂げた、世界初のフィルター
カテキン加工紙の機能確認中、当時流行し始めた新型コロナウィルスのデルタ株への抗ウィルス活性を見出すことができました。
ただ、デルタ株に対する性能評価試験ができる機関を見つけることにも難航しました。
最終的に国内で無事試験ができて、性能確認後にすぐ「カテキンマスク」の試作に取り掛かりました。 社長にも、開発・商品化の相談をしたら「すぐにいこう!」とトントン拍子で話が進みまして、2021年10月20日はプレスリリース、そして発売と、私にとってはわずか4ヶ月半のストーリーです。
カテキン溶液を染み込ませた非常に軽い紙を乾燥して巻き取るという作業があったのですが、やぶれやすくて何度も失敗した現場の苦労もありました。
そしてプレスリリースが弊社にとって初の試みであったり、それまでに特許の申請を行う必要があったりと、まさに時間との勝負でした。大小様々な問題はありましたが、短い時間で担当社員の協力と連携で乗り越え、恐らく、世界で初めてデルタ株に有効なカテキンのフィルターのマスクの誕生を成し遂げました。
紙製品の会社からの進化を
商品開発から発売まで、無事に迎えることができてとても嬉しく思います。 特許出願まで担当者しかこのプロジェクトを知らなかったので、社内説明会も実施しました。社内説明会を通して、社員全体に良い商品であることを認識してもらうこともできました。
医療関係の方や、ご自宅で介護などをしている方が自己防衛のために、このカテキンマスクを選んで買われる方も多いと聞きます。
これから、お客様の声も参考に改良を重ねていきたいと思います。
また、カテキン機能商品のシリーズ化や、これから紙製品だけでなく生活衛生関連にも力を入れていき、世の中に役立つ商品開発に努力していきたいと思います。