次世代の先端素材として注目されているセルロースナノファイバー（CNF）は、その特性を最大限活かすために、長年の課題であった高コストや複雑な製造工程を解決する取り組みが進められてきました。特に、CNFをプラスチックと混合することで、軽量でありながら高強度・高弾性・低熱膨張という特性を生かした減プラ製品の開発が進んでいます。

当社は、CNFの優れた特性を生かすためにはCNFのみでの製品開発が重要であるというポリシーの下、工程やコストの課題を解決して、CNF活用による脱プラスチック社会の実現と持続可能な社会構築への貢献を念頭に置き研究を行ってきました。

そしてこの度、CNFの製造工程である脱水と乾燥の時間を大幅に短縮し、製造コストを劇的に低減することに成功しました。また、特殊な条件下でしか実現できなかったセルロースの特性を、通常の環境でも利用可能にしました。
これにより、高密度で高硬度なCNF製品を開発し、「アモルセル®」と名付けました。

アモルセル®について

お茶の有用成分（カテキン）による抗菌・抗ウイルス作用などに着目し、お茶の有用成分であるカテキンを塗布した高機能「カテキン加工フィルター」を開発しました。
「カテキン加工フィルター」は、安全性が高い茶抽出成分（食品添加物）を主原料に使用しており、お茶由来の淡黄色でほのかな香りがあります。また生分解性があり、ポリオレフィン系不織布を使用しないため脱プラスチック・CO2削減に貢献できます。

また、「抗鳥インフルエンザウイルス活性」、「抗インフルエンザ活性」、さらには「抗新型コロナウイルス（デルタ株）活性」を付与することに成功いたしました。とくに新型コロナウイルス（デルタ株）に対する抗ウイルス活性値【Mv≧4.3】は、抗ウイルス効果としては「Full effect（十分な効果、ISO 18184 附属書G）」と評価されています。
【抗ウイルス活性試験データはこちらから】

『エルモア カテキンマスク』 は、この高機能「カテキン加工フィルター」を採用しており、米国規格ASTM-F2100-20 レベル3をクリアしています。

茶殻に残存する緑茶ポリフェノール（カテキン）等の有用成分に着目し、新規有効活用を図るため、紙に再利用したものが「茶香紙」です。
化学合成された消臭剤・抗菌剤を使用することなく、人に優しい天然素材を使うことで、使う人が安心できる商品作りをサポートしています。
当社では、この茶香紙の抗菌・消臭性能に期待し、紙おむつに採用しています。

水に弱い段ボ－ル（紙製品）と羽毛の機能性に着目し、世界で最初に開発されたのがKPE段ボ－ルです。（特許番号3026975号）
KPEとは、「Kami waterProof Eco-paper」の略字で、文字通り、環境に優しい耐水紙です。

耐水性・保温性（断熱性）の効果がある羽毛を粉末にし、段ボールの材料である原紙に塗布することにより、水に強く保温性のある段ボールが出来ました。また、KPE段ボ－ルの他にも、羽毛粉末の機能性を利用した用途開発へと続々と取り組んでいます。

農用再生紙「カミマルチ」は、段ボール古紙を原料として作られたリサイクル商品で、水稲用と畑用があり、全国各地で使用されています。
水稲用、畑用それぞれ特徴があり、いずれも除草剤と同程度の雑草抑制効果が期待できますが、環境に優しく、土壌で分解されるので回収処理の必要もありません。当社独自に開発された商品です。

次世代先端材料として注目を浴びているCNF(セルロースナノファイバー)のサンプル提供を開始し、今後の実用化に向けた用途開発に取り組んでいます。粉砕度合いの調製により、最適な繊維の大きさを提供することができます。
また、柑橘由来セルロースナノファイバーの開発にも取り組んでいます。
愛媛県で生産されている柑橘類、そのうちジュースなどに加工される際に発生する搾汁残渣の一部は、漢方薬の原料や家畜飼料等として利用されているものの、多くは産業廃棄物となっています。それらを有効活用する形で開発へと活かしています。

従来の木製パレットやプラスチックパレットに変わり、環境に配慮した段ボールパレットを開発しました。
軽量で持ち運びしやすい為、積み荷の損傷や作業員の怪我の心配がなく、また燻蒸処理不要で高湿度環境での腐敗はありません。
そのまま資源としてリサイクルが可能なため、クリーンで環境にも優しいのが特徴です。